皆様こんにちは。
さて、枡を作るのは簡単でしょうか? 全部機械で量産だから簡単でしょう!
「ブーッ、違います!」
まず吟味した材料(東濃桧:ブランド材です)を切らねばなりません。
数枚ずつ節のところを外して既定の寸法にカットしていきます。
目で確認しながら切りますから機械に任せるわけにはいきません。
次に切った材料を枡組みするための凸凹カットをします。
機械にある程度の枚数をまとめて入れて「ザクッ」といくわけですが、
この時に機械の刃物のセッティングが大変なんです。
機械には何枚も刃物が付いていて、枡を組むときに均一に隙間なく板どうしが組み合わさらなければなりません。 100分の1㎜単位で隙間を調整します。 要する時間は2~3時間!
切れなくなった刃物を交換しますね。 研磨された刃物は100分の数ミリ単位で大きさが変わるわけです。これをそのまま機械にはめたら漏れ漏れの枡が出来ます。

次に凸凹を入れた材料を接着剤を付けて手で借り組みし、機械で奥までしっかり圧入します。
一つずつきちんと奥まで入っているか確認しながらの作業です。
これが終わると底板の貼り付け。
枡に接着剤を付けて底板を貼ってある程度の数がまとまったら圧着させるためにジャッキを掛けます。 乾くまで待ちます。 このときに底板が動いてずれて不良になるものも有ります。
そして仕上げです。 回転するカンナの機械で枡のすべての面を削ってツルツルにします。
このときに職人芸が必要になります。 まず刃物の出具合。 そして削り具合。
皆さんカンナを見たことありますか? 表の刃と裏の刃がついています。
この両刃があるから薄く綺麗に削れるんです。 裏刃が表刃ぎりぎりくらい出ていると非常に綺麗に薄く削れますが、効率が悪すぎます。 逆にするとザクザク削れますが引っ掛かりやら逆目が出て汚くなります。
こうして人の手と目で一つずつ確認しながら作られていきます。
当然不良品もたくさん出ます。 欠けたり割れたり、自然の木を使いますから仕方がないですね。
こうしてやっと出来上がり。

焼印はこれまた大変(笑) 複雑なデザインや簡単なデザインなどいろいろありますがその都度温度設定と時間設定をして一つずつ焼き付けていきます。 卓上ボール盤のような機械で人力で確認しながら焼きます。 すべての枡に均等に焼き付けるのは本当に難しいです。
こうして手間暇かけて作られた枡がお客様の手元へ行きます。
ある時は結婚式へ、ある時は企業の式典へ、またあるときは国際会議へ、はたまた海を越えて異国の地で。 特別の場所で使われることが多いので手抜きはできません。
時には日本代表になるわけですし。

物を作るということは斯様に大変なことで、たかが枡と言えど大変なんです。
弊社ではこだわりとプライドを持って作っております。
良いものを作るのは簡単ではないですし、コストもかかります。
ときどき安くしてと言われることもございますが、これだけの手間をかけて作っているものを簡単に値引きは出来ないですし、頑張って作っている社員、職人に申し訳が立ちません。
手間暇かけて作られたものを値切るのはご遠慮いただきたいというのが本心です。
安いところは他でもあります。 ただし、うちほどこだわって作っているところは知りません。
漏れる、仕上げが汚い、一面だけやたら板が薄い、焼印が真っ黒焦げ、焼印が一部欠けている、なんてことはあってはいけないのですが、お客様から「他社のはこうだったけど、御社のはどう?」と聞かれることもしばしばです。
これは受け取ったお客様がどれほど落胆されるか想像がつきますよね。
焼印などのデザインが豊富に取り揃えてある方に目を奪われがちですが、それを入れる本体が大事ではないでしょうか。

オリジナル枡(升・ます)、名入れ枡、ワイン木箱の製作・販売
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◇◆株式会社マル仁◆◇

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